全日本空手道連盟 和道会 銚子

全日本空手道連盟 和道会

 

和の武道・和はちから、道はこころ

 

全日本空手道連盟 和道会は、国内1,350支部、海外250支部、会員数185万人、有段者18万人(1997年9月現在)を擁し松濤館流、剛柔流、糸東流と並び、空手の四大流派の一つに数えられています。

 

和道空手は、四大流派(松濤館流、糸東流、剛柔流、和道流)の中で唯一の本土出身者である流祖 大塚博紀先生が、神道揚心流、及び為我流の柔術を大成した上で、船越義珍・本部朝基・摩文仁賢和に学んだ空手、さらには新陰流等の古流剣術の体捌きを加えて創始し本土の「柔術」と沖縄の「唐手」を融合させ創始した画期的な流派です。

 

伝統空手四大会派の中にあって、唯一、日本の柔術(神道楊心流)の流れを汲み技法、理論共に、最も独創性に富む空手で武道の真髄を技に残しながら、現代ルールの中で、大会開催にも積極的です。

 

和道会銚子

昭和45年、千葉県高体連に空手専門部が出来ると同時に銚子水産高校空手部と、社会人の和道会が創設された。

 

銚子水産高校には先代の大塚先生から、北海道で直接指導を受けた直弟子の佐藤弘毅氏が在籍し指導して、53年、55年、58年と千葉県優勝し58年には関東3位、全国3位に入った。

 

技法

 

単独型の反復という形で本土へ入ってきた空手に、実際に動く相手に通用する理論と、それを実践する体系とをプラスして創意工夫して体系づけていったのが和道の技術。

 

柔術(神道揚心流)の影響が色濃い流派であり、「捌き」「流し」「押し」「引き」「入り身」「転身」などの技法が見られるのが特徴。

 

相手の正面からぶつかるのではなく、自分の正中線を常に相手の攻撃目標から外させてやるものであり、極めて合理的な技法といわれる。

 

これはそのまま現代の組手試合に対応できるものであり、没個性化してしまったといわれる現代の試合においては、流派の特色を試合で打ち出せる稀有な例となっている。

 

基本組手・居捕り・短刀捕り・太刀捕りなどがある。

 

基本組手ではそれぞれの技について、基本技である「表」、応用技である「裏」の技が指導されている。

 

形は、クーシャンクー、ナイハンチ、セイシャン、チントウ、バッサイ、ニーセーシー、ワンシュウ、ローハイ、ジッテ、ジオンなどが指導されている。

 

 

 

 

 

流祖 大塚博紀先生

 

流祖・大塚博紀師は1892年(明治25年)、茨城県下舘市に生誕、5歳から柔術(旧土浦藩武術師範・江橋長次郎)の手ほどきをうける。

 

その後、神道楊心流柔術・中山辰三郎門下に入門し、29歳で免許皆伝となる。

 

1922年(大正11年)船越義珍師に入門したのが空手との出会いであり、その後柔術と空手の要素を融合して「和道空手」の術を創始した。

 

1982年(昭和57年)死去。

 

(写真 昭和44年刊行 大塚博紀「空手道」より)

 

和道会 主な流れ

 

1858(安政5)年

松岡克之助(宝蔵院流柔術・北辰一刀流・天神真楊流免許皆伝・筑前黒田藩定府藩士)が江戸浅草に天神真楊流松岡道場を開く。※和道流技法の始まり

 

1886(明治19)年

中山辰三郎が神道館松岡道場剣術部へ入門。

 

1892(明治25)年

和道流創始者・大塚博紀が茨城県下館市に生誕。

 

1898(明治30)年

大塚博紀、柔術修行を始める。

 

1906(明治40)年

中山辰三郎が茨城県立旧下妻中学校剣術教師に就任。
大塚博紀が旧下妻中学校へ入学し、中山辰三郎道場へ入門する。

 

1918(大正7)年

大塚博紀が神道楊心流3代師範・松岡竜雄より切紙免許を授与される。

 

1922(大正11)年

富名腰義珍が明正塾(沖縄県人学生寮)講堂内に沖縄拳法唐手術道場を開設する。
大塚博紀が明正塾空手道場へ入門。

 

1934(昭和9)年

大塚博紀が大日本空手振興倶楽部を創立。

 

1938(昭和13)年

大日本空手振興倶楽部を「大日本空手振武会」と改める。
大日本空手振武会幹事長・江里口栄一が会名を「和道会」と改めることを提議、満場一致で承認される。

 

1949(昭和24)年

和道流の全支部を結集し「全日本空手道連盟」と改称。

 

1955(昭和30)年

大塚博紀著「空手術の研究」出版。

 

1964(昭和39)年

全日本空手道連盟(JKF)発足。

 

1967(昭和42)年

全日本空手道連盟の組織改正。全日本空手道連盟(和道流)は「和道会」と名称変更。

 

1969(昭和44)年

初のJKF全日本空手道選手権大会開催。

 

1970(昭和45)年

大塚博紀「空手道」刊行
第1回世界空手道選手権大会開催

 

1981(昭和56)年

国民体育大会に空手道が初参加(滋賀)

 

1982(昭和57)年

和道流創始者・大塚博紀歿。

 

1989(平成元年)

第1回ワールド和道カップ大会開催。

 

(JKfan 2009 5 柔術の遺伝子を受け継ぐ空手 和道技術の「捕り」特集より転記)

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